インターネットの充実(中)
愛媛新聞「教育の内外」連載
11月12日 日曜日
さわやかな秋空の下、学校では充実した学習活動が展開されています。今月は、
中学校におけるインターネットの利用状況に触れてみましょう。
中学生ともなると、家庭などでのインターネット体験はさらに増してきます。特
に、技術・家庭科の「情報とコンピューター」の学習後は、より強くインターネッ
トに興味と関心を示し、生徒の家にコンピュターがある場合は、積極的に活用しよ
うとする様子がうかがえます。そのことは家庭学習などに表れ、例えば国語や音楽
で作者を調べたり、社会科で最新の統計
資料を手に入れたり、授業の発表や、ま
とめた資料の提出によく表れてきます。
この夏、素晴らしい自由研究に出会い
ましたので、松山市内のある中学生の実
践例を紹介したいと思います。夏休みの
自由研究で「交通の福祉」―人に優しい
都市交通―と題して、コンピューターを
使いインターネットで調べた、22ペー
ジにわたる研究を見せてもらいました。
中学校の3年生ともなれば、自分の住ん
でいる郷土に対して「こんな所であって
欲しい」という夢や願いを持っています。
この生徒は、お年寄がバスに乗るとき、
「よいこらしょ。」と声を出し、つらそ
うに踏み段を上がっている様子を見て、この問題に取り組むことになったそうで
す。バスなどの利用では、お年寄りや幼児にとって、高い段差の踏み段の上がり下
りは大変だと思います。ところが、私たち元気な者は、案外気付かないで見過ごし
がちです。彼は、このことを問題に取り上げる優しい心を持ちあわせていました。
松山市駅の大改修で、バリアフリー化が進められることを、会社のホームページか
ら探し出し、載せています。この秋に5台の「ノンステップバス」が導入されるこ
とも取り上げ、このバスが低燃費、低公
害、低騒音、低振動のエンジンを備えて
いることを評価しています。外国にも目
を移し、フランスのストラスブールのL
RT(ライト・レール・トランジット)を
取り上げ、導入前に比べて、導入後の街
がどう変わったかを写真入りでまとめ紹
介しています。都市公害の面から、長崎
や岡山の例を参考にしたり、また介護タ
クシーにも触れたりと、「交通弱者に優
しい街」ができることを望んでいます。
さらに前記LRTについて、今後もっと
調べたいという意欲を持っています。
「人間中心の交通機関を備えた街になっ
て欲しい」という願いがよく分かる研究
に、頭が下がりました。
この様に、来世紀をになう中学生が、情報収集手段の一つとして、インターネッ
トを活用して必要な情報を取り出し、広い視野から自分の考えをまとめ、発信する
ことは、素晴らしいことだと思います。
今年、県内の中学校には、インターネット利用の学習環境が更に整うようです。



