情報化を迫られる学校
愛媛新聞「教育の内外」連載
4月9日 日曜日
学校教育の制度が生まれて以来、学校ではそれぞれの時代の要請に応える形で、
様々な活動を通して子供の教育がなされてきました。その時代に生き、次の時代の
社会に役立つ人に育つよう、基礎的な知識や技能を身につけさせてきました。励ま
し合い、鍛え合い(我慢、忍耐強さ等)そして助け合いながら、子供たちは楽しく
学習に励んでいます。
社会の変化や技術の進歩に伴って、
教育への各種の要望は変化していきま
す。それは、国からは教育改革、経済
界からは教育への提言、地域からは子
供の幸せを願っての働きかけなどとい
う形で現れ、具体化されてきます。私
は、その中でも特に最近話題になりつ
つある『情報教育』に視点を当てて、
これから一年間述べてみたいと思いま
す。
四月の学校は、期待に胸を膨らませ
た新入生を迎え活気に満ちています。
子供たちは、新しい学用品や教科書に
目を輝かせ、興味と関心を持って学ぼうとしています。見るもの聞くものすべてが
新しく、期待と不安が交錯している時期でもあります。
先日、南日本自然史博物館で、明治7年に師範学校が編纂した、教師用の教科書
「小学読本」を見る機会がありました。学制が発布されたのが1872(明治5)年で
あることを考えると、初期の教科書と思われます。その最初のページには、貨幣の
種類や呼び方などが載せてありました。明治になって、社会のシステムが変わり、
新しい知識・技能や考え方を、学校教育を通してひろめようとしたのだと思いま
す。明治以来、知識や技能、道徳など、各種の情報を伝える大切な役割を学校は果
たしてきました。
以来約一世紀余り、時代の変化と共に出
版物やラジオ・テレビ放送などが発達し、
教育に大きな影響力を持つようになってき
ました。例えば、ラジオやテレビの世界で
使われている「超・・・」などの言葉を使
い、「たたく、ける」などの荒っぽい行動
が目立ちます。子供たちは、これらマスコ
ミから影響を受け、流行に大変敏感になり
『学校の指導力』は相対的に低下をきたし
ています。子供は成長と共に、仮想の世界
と現実の世界との違いが分かるようになっ
てくるものですが、なかなか時間のかかる
ことです。この点については、学校も家庭
も苦労をしており、共に手を携えて解決策
を見いだす必要に迫られています。
国は、現在学校の情報化を早急に進めようとしています。多額の費用をかけてコ
ンピュータの導入を図り、2005年を目標にネットワーク化を目指しています。学校
内は勿論、学校間がネットワークで結ばれ、やがて地域や家庭ともインターネット
で結ばれるものと思います。愛媛県でも12年度中に、スーパーハイウェイ構想が
現実のものとなりました。次回からは、学校の情報化が抱える問題等について考え
てみたいと思います。



