先進的な学校の取り組み
愛媛新聞「教育の内外」連載
      5月14日 日曜日
 小学校2年生の教室を訪ねたときのことです。児童たちが、ディスプレー(パソ
コンの画面)に向かって、熱心にマウスを動かしています。手と目と画面が一つに
結びついた自然な動作にまず驚きました。時々下絵を見て、画面の絵を確かめなが
ら、線や色の種類を選びなおし、実に楽しそうに描きあげています。10台のパソ
コンがフル活動です。困っている児童には、教師がそばへ行き助言をすると、ほっ
とした表情で作業を続けます。手を挙げたり、教師の所へ歩み寄ったりして質問を
する子もいます。
 しばらくして、一枚の絵ができあがり
ました。これからの学習に、みんなが使
う「切手」を作っていることが分かりま
した。出来上がった作品を縮小し、コピ
ーして貼り付けると、たくさん並んだ切
手シートが画面に表れ、「ウワー・・・」
と歓声が上がりました。これを印刷して、
自分たちのハガキに貼って校内で使うよ
うです。新しいものを作り出す喜びに、
児童達の目は輝いていました。
 以上は、パソコンを使った小学校の生
活科「遠くの人におたよりを出そう」の
学習の様子です。パソコンの持つ機能を
うまく使い、道具として使っている一例
です。このような学習が出来るようになったのは、ウインドウズのパソコンが、学
校に入るようになったからです。
 これまでに学校へはどのようにパソコンが入ってきたのでしょうか。文部省は、
平成5年から中学校3年生の技術・家庭科に「情報基礎」を設け、パソコンの指導
を決めました。そのため平成3年頃から、中学校へのパソコン導入が始まったので
す。学習の内容は、パソコンの仕組み、ソフトウェアの使い方や簡単なプログラミ
                   ングなどでした。当時のパソコンは、OS
                   (オペレーションシステム)にMS-DOSと呼
                   ばれるシステムを使っていました。その
                   ため、キーボードを使うことが多く、や
                   や操作に難しいところがありました。ソ
                   フトウェアを活用するためには、OSを組
                   み込む必要があったからです。この作業
                   は、操作に慣れた人でないとやれません
                   でした。指導に当たる教師にとっても大
                   変な作業でした。このような状況でした
                   から、パソコンを扱うのは技術・家庭科
                   やパソコンに堪能な先生に限られていま
                   した。児童・生徒が喜んで使う環境がな
                   かなか整いませんでした。パソコンのリ
                   テラシー(基本的な操作能力)の教育が、
強調されたのもこの頃からでした。このような状況が変わり始めたのは、ウインド
ウズ3.1が出て、操作が比較的楽になった平成6年頃からでした。特に、平成7年
にウインドウズ95が発売されるや、世の中に情報化への関心が急速に高まってきま
した。操作面でもマウスが中心になって、今までのものに比べると格段に扱いやす
くなり、学習の道具として、パソコンを生かす学校が見られるようになってきまし
た。