パソコン研修の時間がとれない
愛媛新聞「教育の内外」連載
      7月9日 日曜日
 最近の研究会では、「情報化社会の到来に備えて・・・子供たちに情報活用能力
を身につけさせるよう・・・」とよく呼びかけます。小中学校で情報教育を進める
場合、教師がパソコンを使えるかどうかが大きな問題です。毎日の忙しい勤務の中
で、パソコンの研修をする機会や時間はあるのでしょうか。
 平均的なある教師の一日を追ってみましょう。午前8時までには、担当施設の点
検を済ませ、子供たちを温かく迎えることから一日が始まります。10〜15分程度の
朝の打ち合わせ会(職員朝礼)で、今日
の行事や指導の内容、注意点などが伝え
られます。この間にも、保護者から欠席
などを知らせる電話が入ってきます。学
級の朝の会では、子供たちの出欠や健康
状態を確認し、生活の目当てを話し合わ
せたり、今日の注意事項などを伝えたり
します。授業が始まるまでに、届けのな
い欠席者や気になる子供の保護者に連絡
をとります。授業は、午前中4時限目ま
で、途中に10分間の休みをはさんで続け
られます。この10分間で授業の後始末と
次の準備をしなければなりません。給食
では、保健衛生面などの問題が起こらな
いよう注意して配膳を済ませ、体調の悪
い子、偏食のひどい子に配慮します。また、栄養面の話などを交え、楽しく食事が
できるよう指導します。後始末を見届け、子供たちとふれあう時間もそこそこに掃
除の指導、そして午後の授業に入ります。子供たちを帰すと4時を過ぎます。それ
から、作品の整理、採点、翌日の授業の準備などに取りかかるのですが、どんなに
努力しても勤務時間(8時間)内に処理することは出来ません。中学校では、この
上に多くの時間を部活動の指導に当てます。さらに、放課後の水曜日は職員会、金
                   曜日は学年部会などがあり、週のうち3
                   日間しか自分の時間が使えないのが現状
                   です。特別な役職の教師になると、企画
                   会、生徒指導部会、総合学習部会など各
                   種の会が開かれ、学級の仕事は後回しに
                   なります。生活面等の問題が起これば、
                   保護者との連絡や家庭訪問、関係諸機関
                   との話し合いなど、いくら時間があって
                   も足りません。勤務時間はとっくに超過
                   して、教材の研究などは家庭に持ち帰る
                   ことになります。子供たちのことを考え
                   ると、少々疲れていても熱があっても頑
                   張ってしまいます。時間的にも気分的に
                   もゆとりがもてない中で、果たしてパソ
コンの研修をする時間がとれるのでしょうか。現状のままでは「無理」でしょう。
学校全体が、常時めまぐるしいのですから、落ち着いてパソコンの前に座る時間は
とれません。もし、パソコンに向き合っていることが多くなれば、非難の声もあが
りかねません。子供にもっと接して欲しいと・・・。
 さて、現場の先生方はどんなに対処すればよいのでしようか。行政も保護者も、
社会全体もみんなが、学校の現状を見直すときがきているように思います。