吉村一昌 作詞
早 春 賦
そう しゅん ふ
中田 章 作曲
(うぐいす)
春は名のみの風の寒さや
谷の鶯 歌は思えど
時にあらずと 声もたてず
時にあらずと 声も立てず
春と聞かねば知らでありしを
聞けば急かるる 胸の思いを
いかにせよとの この頃か
いかにせよとの この頃か
せ
氷解け去り葦 は角ぐむ
さては時ぞと 思うあやにく
今日もきのうも 雪の空
今日もきのうも 雪の空
(あし)
暦の上では、春になっても
冬のきびしさが続く。
春をまちわびる人の思いや詩情を
味わいつつ歌ってみよう。
※
時にあらずと・・・今はその時でないと 葦は角ぐむ・・・葦の新芽が出ているようす
さては時ぞと・・・もう春がきたと 思うあやにく・・・思うがあいにく 知らでありしを・・・知らないでいたけれど
作詞者
吉丸一昌(よしまるかずまさ)
1873〜1916
国文学者 大分県生まれ
東京帝国大学(東京大学)卒業
東京音楽学校(東京学芸大学)教授
作詞や訳詞で活躍
作曲者
中田 章(なかたあきら)
1886〜1931
作曲家 東京都生まれ
東京音楽学校卒業
オルガン奏者 母校の教授
中田喜直の父
2004.2.5 写真ほか Makino Miyauchi