伊予の松山 名物・名所シリーズI
薄墨桜(うすずみざくら)
撮影 2002/4/3
薄 墨 桜 (うすずみざくら) 松山市下伊台町(西法寺の境内)
薄墨桜は、松山市下伊台町 西法寺本堂前に植えられて
いる。和名 イヨウスズミザクラと呼び、ヤマザクラ系の一品種
と考えられる。花は、直径3cmぐらいで、花びらは8枚ぐらい
の八重咲き、白色で微紅をおび上品で4月10日ごろが見ご
ろである。由緒に2〜3の説があるが、昔、ある皇后ご病気の
折、勅命あり一山をあげ祈願し平癒されたので勅使がこら
れ、薄墨の綸旨(りんし=手紙)に桜をそえて下されたので薄
墨桜と称したという。 (松山市発行「伊予路の文化」より)
薄墨桜
伝 説
薄墨桜(うすずみざくら)
この桜の木には、こんな話が伝わっとらい。
昔、昔、どの天皇の時代じゃったろか。お后(きさき)がご病気になられたんよ。天皇は全国の寺々に
命じて、お后の病気が治るようにお祈りさせなさったんと。
そのころの西法寺というたら、広い境内(けいだい)にたくさんの寺が立ち並ぶ、それは見事な寺
じゃった。その寺一山をあげてお后のご病気が治るようお祈りをおしたそうな。まもなくお后はすっかり
よくなられた。天皇はたいへん喜ばれ、お使いにお礼の手紙を持たせて西法寺にお届けになったん
よ。その手紙が薄墨色の紙に書かれとったんで、それからは、寺の桜を薄墨桜というようになったん
じゃと。
もうひとつには、こんな話もあるんじゃ。
都で、歌人の藤原良盛(ふじわらのよしもり)さまがお亡くなりになって、その遺体(いたい)を火葬(かそ
う)にしたんと。すると、その煙のかかった桜は、みんな薄墨桜の花を咲かせるようになってしもたんと。
その桜を西法寺の境内に移し植えたということよ。
まあ、いずれにしても薄墨桜とはいうけんど、薄墨色の花びらのようけある、きれいな桜よ。
「松山のむかし話」 (西法寺境内の立札より)